マーケットの変動要因
出題論点と学習のポイント
景気と物価、金利などが変動する際の関係性を理解してください。海外の金利の変化が為替にどう影響するのかという問題が、比較的多く出題されています。金利の変動要因について理解を深めましょう。
1 インフレとデフレ

 インフレーション(インフレ)とは、物価が持続的に上昇する状況をいいます。物価が上昇すると、手元にある資金で購入できる量が減ることから、貨幣価値が下がることを意味します。
 一方、デフレーション(デフレ)とは、物価が持続的に下落する状況をいいます。物価が下落すると、手元にある資金で購入できる量が増加することから、貨幣価値が上がることを意味します。
 このように、物価の上昇・下落によって貨幣価値が変化するほか、一般的には、インフレ時には金利や株価も上昇し、為替は円安方向に動きます(デフレ時にはこの反対の動きになります)。
 そのため、景気変動の波が大きくならないように、好況期には景気が行き過ぎないよう抑制し、不況期には景気が回復するように刺激するなどの景気対策が必要とされます。景気対策には、金融政策と財政政策があります。

もう一歩おさえておこう!
インフレーション

● 全般的に物価が上昇する状況をいいます

● これまで100円で買えていたモノが、インフレにより150円になると、“100円で買うことができない”ため、100円の価値が下がったことになります

デフレーション

● 全般的に物価が下落する状況をいいます

● これまで100円で買えていたモノが、デフレにより50円になると、“100円で買ってもお金が余る”ため、100円の価値が上がったことになります

2 金利変動の要因

 金融市場の金利は、お金の需要と供給のバランスで決まります。お金の需要と供給を変化させる主な要因には、景気・物価・為替・海外金利があります。

▼ 金利変動の要因
景気と金利

● 景気が良くなると、消費や生産が活発化し、資金需要が高まることから、金利は上昇します

● 景気が悪くなると、消費や生産が縮小し、資金需要が低下することから、金利は低下します

物価と金利

● 物価が上昇すると、商品・サービスを購入するための資金需要が増えることから、金利は上昇します

● 物価が下落すると、商品・サービスを購入するための資金需要が低下することから、金利も低下します

為替と金利

● 為替相場が円安になると、輸入物価が上昇し、国内物価も上昇することから、金利は上昇します

● 為替が円高になると、輸入物価が下落し、国内物価も下落することから、金利は低下します

海外金利と金利

● 海外金利が上昇すると、高い金利を求め資金が国内から海外へ移動し、円安傾向となることから、(国内)金利は上昇します

● 海外金利が低下すると、海外金利の魅力が薄れることで海外から国内へ資金が移動し、円高傾向となることから、(国内)金利は低下します

※ 実際のマーケットでは、複数の要因が重なることや原因と結果が逆になることもあります。

こんな過去問が出る!

米国の市場金利が上昇し、日本と米国の金利差が拡大することは、一般に、米ドルと円の為替相場において米ドル安、円高の要因となる。

▶︎ 解答はクリック

答え:×
原則として、金利の高い通貨が買われやすくなるため、米国の市場金利が上昇す ると、米ドル買いの要因となる。米国の金利上昇によって日米の金利差が拡大した場合、「米ドル買い、円売り」が進み、結果として「米ドル高、円安」の要因となる。
(2023年1月学科)

▼ 金利の変動要因に対する金利の動き
金利の変動要因に対する金利の動き
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